サッカー日本代表の新キャンペーンが、まさかの大波紋を呼んでいます。
アンバサダーに選ばれたのは、Lapone所属の人気グループJO1とINI。
若者から絶大な支持を集める彼らの起用に、なぜここまで批判が集中したのか。
ポスターのデザイン、韓国資本の背景、そしてJFAの意図――。
Xで拡散する「韓国国旗風ポスター」論争の裏には、想像以上に深い“今の日本”が隠れていました。
なぜ韓国資本ラポネ所属のJO1×INIが日本代表アンバサダーに?
サッカー日本代表の新キャンペーン「最高の景色を2026」。
そのアンバサダーに選ばれたのは、Lapone Entertainment所属のJO1とINI。
このニュースを見た瞬間、「なぜラポネ?」「日本代表なのに韓国資本?」と驚いた人も多かったはずです。
Laponeは、韓国のCJ ENMと日本の吉本興業が共同出資して立ち上げた会社。
JO1もINIも、K-POPの育成・プロデュースシステムを参考にした和製K-POPとして人気を集めています。
ただ、そこに「サッカー日本代表」という国の象徴が絡んだことで、世論の空気が一気に変わったんですね。
では、なぜJFAは彼らを選んだのか。
その背景には、明確な狙いがあるように見えます。
ひとつは、若者層へのアプローチ。
2026年W杯を前に、JFAは若年層(特にZ世代)のサッカー離れを懸念し、関心を取り戻したいと考えた。
2026年のワールドカップ開幕まで残り1年に🌏🏆
📸@CBSSportsGolazo pic.twitter.com/udFpGflLm1
— Fooootest(サッカーブログ) (@Fooootest) June 11, 2025
そこにSNSで絶大な影響力を持つJO1×INIを起用すれば、新しいファン層を呼び込める――そう判断したのでしょう。
もうひとつは、グローバル展開。
2026年大会は北中米開催。
K-POPカルチャーが世界中で流行している今、「国際的な見せ方」を意識したとも考えられます。
ただ、その“戦略的判断”が、結果的に火種となったのです。
「日本代表の広告に韓国資本?」「国内のタレントで良かったのでは?」という声。
サッカーというナショナルスポーツだからこそ、ファンは“純粋な日本らしさ”を求めてしまう。
JFAとしては時代を読んだつもりでも、サポーターのナショナリズムや期待との温度差が大きかった。
2025年11月12日時点で、Xでは「#JI_BLUE」や「#最高の景色を」がトレンド入りし、批判的な投稿が1万件を超える勢い。
JFAからの公式コメントはまだなく、ファンの不満は高まる一方です。
そこに、炎上の萌芽があった――そう言えるでしょう。
韓国国旗風デザインが炎上の原因に
今回の炎上は、起用タレントより先に「ポスターの見え方」が火をつけました。
赤い円、青の面、そして斜めに走る3本線。
これで炎上しないわけが無いと思うんだが、なんかJFAの内部おかしくなってるんかな。 https://t.co/LZ9cCKF2xL
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) November 12, 2025
この三要素が縮小サムネで重なると、韓国の太極旗を連想させるという声が2025年11月11日から急増しました。
実物サイズでは別物に見えても、Xのタイムラインでは数センチの小さな見え方。
そこでの第一印象が「連想」を決めてしまいます。
広告は文脈ではなく、まず数秒の視覚で判断されるのです。
日の丸の赤を強く、青の面を下に広く。
さらにadidasの3本線が白地に走る。
これが「赤・青・白・斜線」という太極旗の記号セットに近づいた、という指摘です。
JFAやデザイナーが意図して似せた証拠はなく、意図的ではなかったと考えられます。
おそらくデザイナーは、スピード感やチームの一体感を表現したかっただけでしょう。
ただ、ナショナルチームのビジュアルは、象徴としての意味が強すぎる。
だからこそ、たとえ偶然でも“似て見える”ことが炎上の導火線になるのです。
視覚心理では、人は“既知のパターン”に当てはめて物事を理解します。
一度「韓国国旗っぽいかも」と見えてしまうと、以降はそれ以外に見えなくなる。
この確証バイアスがSNSで一気に拡散しました。
拡散の起点は比較画像。
これは酷い
吉本と韓国の事務所ラポネ
和製KーPOP
JO1とINIのサッカー好き12名もろ韓国国旗 最悪 https://t.co/MnE6w66zeK pic.twitter.com/DMFg7MmEBr
— ついんてーる (@Peacedai_) November 11, 2025
韓国国旗との並置は言葉以上に説得力を持ち、「似ている」という印象を決定づけたのです。
対処策は、本来とてもシンプルです。
青の面積を減らす、斜線の角度を変える、白地の余白を詰める。
わずかな調整で“誤読”を防げたかもしれません。
また、「JAPAN BLUE」「SAMURAI SPIRIT」など、日本を示す言葉を画面に明示すれば、連想を補正できた可能性もあります。
デザインとコピーの両輪で「日本代表らしさ」を固めることが、今後の鍵になるでしょう。
2025年11月12日時点で、#JI_BLUE関連の投稿は2万件を超え、太極旗連想を指摘する声が依然優勢。
JFAは沈黙を続け、ファンの苛立ちがピークに達しています。
“似て見える”という視覚的な偶然が、ここまでの騒動を呼ぶ――まさに時代の象徴的な炎上と言えるでしょう。
JO1×INI起用が映す日本の現状とメンバー選定の裏事情
今回の炎上では、「なぜJO1×INI?」という声だけでなく、「どうしてこのメンバーなの?」という疑問も飛び交いました。
注目されたのは、サッカー経験のある川尻翔也ではなく、野球経験のある田島将吾が中心に選ばれたことです。
本来なら、サッカー経験者がアンバサダーを務める方がしっくりきます。
でもJFAが重視したのは、スポーツの実績ではなく“届ける力”でした。
田島は明るくて親しみやすく、グループでもムードメーカー的な存在。
SNSでもファンの反応を引き出す力があり、プロモーションの顔としては理想的だったのです。
一方で、川尻はダンスや表現力では群を抜いていますが、どちらかといえば職人気質。
舞台で輝くタイプで、今回のように国全体を盛り上げるイベントではトーンが少し違ったのかもしれません。
ただ、それがファンには「サッカー経験者を外した」と受け取られてしまいました。
そこに「韓国資本の会社が絡んでいる」という情報が重なり、疑念が広がったのです。
公式発表によると、Laponeの選考はJFAやスポンサーのアディダスと話し合いを経て決まったとされており、単独で決めたわけではないようです。
それでもネット上では「韓国主導なのでは」との声が残り、論争の火はくすぶり続けています。
この騒動は、単なる炎上ではなく今の日本社会を映す鏡のようなものです。
「日本代表には日本らしさを求めたい」と思う層と、「国境を超えたコラボを応援したい」と思う層。
その間の温度差が、SNSの中でぶつかっているのです。
一部の若いファンからは、「新しくていい」「カッコいい」といった声も見られます(2025年11月12日時点)。
- 「みんなカッコいい」
- 「おめでとうございます。ホントに凄すぎるー」
- 「登場かっこよー!」
- 「登場シーンかっこよー!」
- 「スタイルいいよ!!」
けれど長年代表を応援してきた層にとっては、誰が日本を背負うかは感情の問題。
理屈ではなく、心の象徴”のようなものです。
2025年11月12日で、X上の#JI_BLUE関連投稿は約2.5万件。
批判と賛同が入り混じり、JFAは沈黙を続けています。
その一方で、ファンのあいだでは「もう少し話し合おう」「対話が必要だ」といった声も少しずつ出始めています。
今回の炎上は、誰が悪いかではなく「日本代表とは何か」を考えさせるきっかけになりました。
そして、JO1×INI起用炎上や韓国国旗風ポスターの話題は、時代の変化を象徴する出来事でもあります。
きっとこの議論の先に、次の“最高の景色を2026”が見えてくるはずです。
