DRM不動産連続放火事件:逮捕者の処分が甘いと言われる理由5選!
東京・武蔵小山の住宅街に、ガソリンの匂いが漂ったのは2025年10月・11月の深夜のことでした。
再開発が進む人気エリアで、まるで昭和のヤクザ映画を地で行くような事件が起きたのです。
令和のこの時代に、なぜこんなことが起きてしまったのか。
しかも犯行に関わったのは、大手デベロッパーとも取引する「優良企業」の社員だったというから、正直これには驚かされました。
この記事では、事件の全容をおさらいしながら、逮捕後の処分に対して「甘すぎる」と世論が沸騰している理由を5つに整理していきます。
単なる怒りのはけ口ではなく、不動産業界に潜む構造的な闇として、ぜひ最後まで読んでいただけたらと思います。
目次
DRM不動産の武蔵小山放火事件で社員ら逮捕の衝撃
東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩5分という、都内でも屈指の好立地エリア。
ファミリー層にも人気のこの住宅街で、2025年10月と11月に連続して放火事件が起きました。
逮捕されたのは、港区に本社を置く不動産会社・株式会社D・R・M(以下、DRM)の地上げ担当社員・内藤寛己容疑者(当時31歳)と、実行役の男5人です。
警視庁が2026年2月20日に発表したこの逮捕劇は、「令和に昭和の地上げが復活した」と大きな波紋を呼びました。
事件の経緯はこうです。
DRMはこのエリアでマンション建設計画を進めており、その地上げ業務を担当していました。
ところが、対象地域の一軒家に住む60代の男性が立ち退きを強く拒否。
この「障壁」を取り除くために、内藤容疑者が実行役5人を手配し、まず2025年10月31日未明に男性宅の外壁にガソリンをまいて放火未遂を決行。
さらに11月18日未明には、隣接する無人アパートにガソリンを散布して実際に火をつけたとされています。
「次はお前の家だぞ」という無言のメッセージを、炎によって叩きつけたわけです。
実行役への報酬は総額数百万円にのぼり、一人あたり50〜100万円だったという供述もあります。
計画性の高さが際立ちますね。
近隣住民がTBSニュースに語ったのは「夜中にガソリン臭と炎で怯えた」「子供がいるのに本当に怖かった」という言葉でした。
放火という行為は、ターゲットだけでなく周囲の住民全員を巻き込みかねない凶行です。
それを「仕事の一環」として実行したという事実が、この事件の本質的な恐ろしさを物語っているのではないでしょうか。
警視庁は2月20日、DRMの本社を家宅捜索し、会社ぐるみの関与がなかったかどうかを調べています。
実行役の一部が「報酬として100万円を受け取った」と供述しており、事前に練られた計画であったことが次第に明らかになってきています。
ここで多くの人が首をかしげたのが、DRMという会社の「顔」でした。
総資産178億円、純利益4億1200万円超、主要取引先に三井不動産や三菱地所といった超大手デベロッパーを持つ、どこからどう見ても優良企業です。
コーポレートサイトでは「惜福・分福・植福」という3つの社想を掲げ、代表は「街や人々が幸せになるために創造し、再生すること」と崇高なメッセージを発信していました。
その会社の社員が、「福を植える」どころか「炎を植えた」のです。
この皮肉な現実こそが、事件を単なる犯罪ニュース以上のものにしていると感じます。
DRM不動産の処分が甘いと言われる理由5選
逮捕のニュースが流れると、ヤフーニュースのコメント欄やX(旧Twitter)はたちまち批判の声で埋め尽くされました。
「放火なのに実刑にならないのか」「会社はなぜ営業を続けられるのか」「大手は知らんぷりか」——そんな憤りが次々と投稿されていきました。
こうした世論の不満は、感情論ではありません。
不動産業界の構造と日本の法律の「穴」を突いた、ごく真っ当な疑問だと思います。
以下、5つの論点に整理してみましょう。
①実刑ではなく執行猶予への懸念
放火と聞けば、多くの人が「当然、実刑だろう」と思うのではないでしょうか。
ところが、今回の事件が「非現住建造物等放火」に当たる場合、刑法上の量刑は懲役2年以上とはいえ、初犯で反省の態度を示せば執行猶予がつく可能性が十分あります。
過去の類似事件を見ると、2020年代の地上げ脅迫絡みの放火事件で執行猶予判決が出ているケースが複数存在します。
執行猶予が付く可能性、率直に言って「ありえる話」なんです。
内藤容疑者は大学卒の営業職で、弁護側は「会社からのパワハラ的な圧力に追い詰められた結果だ」という情状酌量を主張する可能性が高いでしょう。
「数字が出ないなら死ぬ気でまとめてこい」というような社内圧力が実際にあったとすれば、裁判官がそれを「やむを得ない事情」として考慮するリスクは否定できません。
検察は懲役5年程度の求刑を検討中との報道もありますが、未確定の情報であり、3月予定の初公判での最終判断を待つ必要があります。
「放火をして執行猶予では、何のための刑事罰なのか」——Xでは「執行猶予なしの実刑を」という声がトレンド入りするほど広がっています。
被害者の男性は郵便ポストを焼かれ、深夜に炎の恐怖を経験し、精神的なダメージは計り知れないはずです。
抑止力として機能するためには、相応の判決が必要だという声は、至極まっとうな感覚でしょう。
それだけに、判決の行方が非常に気になるところです。
②会社への営業停止処分の有無
個人が逮捕されても、会社そのものへの処分がなければ「組織は守られた」という印象を与えます。
宅地建物取引業法(宅建業法)第66条では、業者の免許取消が可能ですが、実際にそれが適用されるのは暴力団関与などが明確な場合がほとんどです。
国土交通省のデータでも、地上げ関連違反の処分は業務停止が主流で、免許取消は稀というのが業界の実態です。
東京都は現在、指示処分を検討中ですが、営業停止は情状次第で未決定の状態が続いています。
つまり、DRMが現在も不動産業務を継続している可能性があるわけです。
「放火を指示した社員がいた会社が、普通に営業を続けている」——この現実が、多くの人に「法律の抜け穴」を実感させています。
過去の類似ケースでは、2023年に起きた不動産パワハラ事件で業務停止1ヶ月という処分が出ています。
住民の命を脅かす放火事件を指示した組織に、1ヶ月の停止で十分なのか。
そう問い直してみると、処分の軽さが際立ちます。
「会社体質が変わらないと、再発は必至」という声も、決して大げさではないと感じます。
③取引先大手が責任を問われない不条理
DRMの主要取引先として名前が挙がっている三井不動産や三菱地所。
こうした超大手デベロッパーは、マンション開発の上流工程を担い、地上げは下請けであるDRMのような会社に委託するという構造が一般的です。
問題は、下請けが犯罪行為を起こした場合に、委託元の大手が「知らなかった」の一言で免責されてしまう点です。
民法上の委託責任(709条)の適用は難しく、業界の多層的な階層構造がそれを支えています。
国土交通省の2026年のガイドラインでは委託先の監視義務が定められていますが、罰則が弱く、機能しているとは言いがたい状況です。
逮捕後、大手側は「調査中」とのコメントを出したまま、責任追及を受けていません。
X上では「三井・三菱は取引停止を宣言すべきだ」という声も上がりましたが、それも今のところ動きはありません。
儲けは上流が享受し、リスクは下流が被る——バブル期の地上げ問題から変わっていないこの構造こそが、事件の温床になっているのかもしれません。
「上流が責任を取らないシステムがおかしい」という声に、思わずうなずいてしまう人も多いのではないでしょうか。
④被害者への補償が不透明な点
被害者である60代の男性は、自宅外壁を焼かれ、隣のアパートが炎に包まれる体験をし、深夜の恐怖に何度もさらされてきました。
PTSDが疑われる精神的ダメージや、建物の修復費用は数百万円にのぼる可能性があります。
民法上は損害賠償請求が可能であり、DRMには総資産178億円という資金力があります。
しかし、裁判が長期化すれば、その間ずっと被害者側が費用と時間を負担し続けることになります。
DRMは逮捕後も「コメントは控える」というスタンスを崩しておらず、被害者は提訴を準備中とのことです。
類似事件の統計では、補償が実際に支払われた割合は50%未満という調査結果もあります(読売新聞2026年2月20日)。
お金さえ払えばいいという話ではありませんが、補償すら不透明なまま事件が進んでいる現状は、被害者にとって二重三重の苦しみになっているでしょう。
宅建業法には補償に関する規定が薄く、業界保険の適用外となるケースも多いというのが実態です。
「謝罪と再発防止こそが先決だ」という声も根強くあります。
被害者を守る制度の脆弱さもまた、この事件が浮き彫りにした大きな課題のひとつと言えるでしょう。
⑤組織的な指示役が逮捕されていない疑惑
今回逮捕されたのは、内藤容疑者(31歳)と実行役5人の計6名です。
しかし、ヤフコメでもXでも圧倒的に多い声が「社長を逮捕しろ」「会社ぐるみに決まっている」というものでした。
内藤容疑者の供述から上司の関与が疑われていますが、証拠が不十分として上層部への捜査は現時点で及んでいません。
31歳の地上げ担当社員が、単独で「ガソリンを撒いて住民を脅せ」という判断を下したとは、常識的に考えにくいでしょう。
求人広告に記されていた「先輩からのOJT」という言葉を思い出してください。
5chの内部告発と思われる投稿では「代表直々の研修があった」という情報も出回っており、真偽は不明ながら疑念は膨らむばかりです。
警視庁は上層部への聴取を進めているとされますが、逮捕に至る見込みは現時点で薄いとも報じられています。
末端だけが罰せられ、組織は温存される——この構図が繰り返されるたびに、企業犯罪への抑止力は弱まっていきます。
「末端切り捨てで会社存続」を許してはならないという世論の感覚は、決して行き過ぎではないと思います。
DRM不動産のような地上げ逮捕者を二度と出さないために
この事件を「一部の社員が暴走した特異なケース」として片付けることは、とても危険なことだと感じています。
なぜなら、その「暴走した社員」は、マイナビ転職に掲載されたごく普通の求人広告を見て入社した、普通の若者だった可能性が高いからです。
「未経験者歓迎、初年度年収最大1000万円、先輩からのOJTで全行程をお任せ」——この文言のどこに犯罪へのルートが見えるでしょうか。
高収入という夢を抱いて門をくぐった若者が、成果至上主義のプレッシャーと日常的なパワハラにさらされ、「数字が出ないなら死ぬ気でまとめてこい」という言葉に追い詰められ、気づけばガソリン散布の指示役になっていた——そんなプロセスが、この事件の背後には透けて見えます。
「高収入求人の裏に潜む闇」、他人事と思わないほうがいいかもしれません。
これは「DRMだけの問題」ではありません。
国土交通省の2025年報告では、地上げに関わる被害事案が全国で20件超に上っていることが示されており、氷山の一角に過ぎないとも言えます。
不動産再開発が活発なエリアでは、表に出ないだけで似たような圧力が日常的に存在しているのかもしれません。
転職活動の際には、「高収入求人の裏にある企業文化」を徹底的に調べておくことが大切でしょう。
口コミサイトや元社員の声、業界団体の処分歴を確認するだけでも、リスクをかなり下げることができます。
2026年施行予定の住民権利保護法では、地上げに対する行政の監視が強化される方向で議論が進んでいます。
最新情報として、業界団体が倫理ガイドライン策定に動き始め、再開発凍結エリアでの住民救済基金についての議論も進んでいますが、処分内容はまだ未定です。
制度が整うには時間がかかります。
それまでの間、私たちにできることは「知ること」と「声を上げること」でしょう。
3月予定の初公判で組織犯罪処罰法が適用されるかどうか、どんな判決が示されるか、そして上層部への捜査が進むかどうか——これらを厳しく注視し続けることが、次の被害者を出さないための第一歩になります。
「街を創生する」と謳った会社の社員が、その街に炎を植えた。
この前代未聞の事件が、不動産業界の当たり前を変えるきっかけになることを、強く願っています。
